厚労省は、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に加え「精神疾患」を加えて「5大疾病」とすることを決めた、と報道された。
精神疾患に「パチンコ依存症」が入るのか、入らないのか、精神疾患の患者数は323万人(08年調査)だという、この数字を見る限り「パチンコ依存症」は入っていないようである。
「パチンコ依存症」は、200万人いると推定される。厚労省が今まで、関心を持ったこともなければへ、報告したこともない。ほとんど無視を続けている。諸外国、
特に米国ではギャンブル依存症に対しては、しっかりしたケアがなされている。カジノのある州では、24時間体制の、ホットラインで対応している。
日本では、悲惨な事件や自殺が多発しているのに「パチンコ依存症」は放置されている。
厚労省も精神医学会も、何故無視を続けるのか? 精神科医の中には少数ながら真剣に取り組んでおられる方もしらっしゃるが、少数派である。
筆者に届く、読者からのメールによれば、
精神科医を訪れたら、鼻でせせら笑われた、というメールが何通も届いている。これは一体どういうことなのか? 「パチンコ依存症」の患者を相手にしても、パチンコに対して知識がないからということなのか。理解不能である。
この国は、すべての面で体裁を繕うことには熱心だが、本当に困っている人たちに対して手を差し伸べることをしない。厚労省も、精神医学会も、調べれは分かることなのに関心を示さない
。「パチンコ依存症」の患者は低所得層が多いから金にならないと踏んでいるのか?
5大疾病の中に、はっきりと「パチンコ依存症」を入れるべきである。少なくとも、200万人が苦しんでいるのに放置しておく国がまともな国とは思えない。その業界に、政治家から官僚までがぶら下がっているから、業界のために「パチンコ依存症」の患者を無視しているのか……。
最終的には、パチンコの全廃しかないが、そのことに対しても、政治家と官僚は無関心なのである。
720名の国会議員の中で、多くの被害が発生しているパチンコの禁止を叫ぶ国会議員は1人もいない。反対を叫ぶ政党も皆無である。これが、まともな国と言えるのか。
8月15日は66回目の終戦記念日であったが、壊滅的な状況であった終戦の日から66年経っても、行きつくところまでいかないと目が覚めない国民性はいまだ変わっていない。パチンコに対する、対応にそれが表れている。
この国は、完全に滅びるまで目が覚めない国なのかもしれない。
どうする。どうなる。この国は。