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W・Wジェイコブズ「猿の手」は、今の日本人が考えるべき物語である。
老いたホワイト夫妻とその息子ハーバートは、インドの行者が作った猿の手のミイラを、知り合いのモリス曹長からもらい受けた。モリス曹長が言うには、その猿の手には魔力が宿っていて、持ち主の望みを3つだけ叶える力があるらしい。 だがそれは、「定められた運命を無理に変えようとすれば災いが伴う」との教訓を示すためのものだ、自分も悩まされたからと、曹長はホワイト家に渡すのを渋ったが、ホワイト氏は半ば強引に受け取る。息子が冗談半分に、家のローンの残りを払うのに200ポンドが欲しいと言うので、ホワイト氏はそれを願ったが、結局その時は何も起こらなかった。 その翌日、一人息子のハーバートが勤務先の工場で機械に挟まれて死んだと知らせが届く。会社は賠償を認めないが、日頃の勤労の報酬として金一封を夫妻に支払った。その金額は200ポンド……。 老夫婦は息子の死を嘆き悲しんだ。そしてある夜、どうしても諦めきれない妻は夫に、猿の手で死んだ息子を生き返らせてくれるようにと懇願する。ホワイト氏は息子の凄惨な死体を見ていたので、懸命に妻をなだめるが、彼女は半狂乱になって訴える。 夫は断り切れず、二つ目の願いをかけた。しばしの後、夫妻は家のドアを何者かがノックする音に気付く。夫人は息子が帰ってきたのだと、狂喜して迎え入れようとしたが、その結果を想像して恐怖したホワイト氏は猿の手に最後の願いをかける。「息子を墓に戻せ」。激しいノックの音は突然途絶えた。 結局、平凡な日常にささやかな抵抗を試みたホワイト夫妻は、大きな代償を払って元の日常に戻った。 (注)別の訳者では、ぼろぼろに腐敗した息子が墓から出てきて、3つ目の願いとして墓に戻って平穏に眠ってくれと祈り、その願いが叶えられて終わると言う翻訳もある。 この物語を、カジノを解禁したいと騒いでいる政治家に当てはめると恐ろしなくなる。銭が欲しいと願ってカジノを解禁しても、誇りを失い勤勉な国民性を無くし、結局はすべてを失うことになる。カジノを始めてから、カジノ解禁は間違っていたと後悔しても遅い。一旦解禁してから、禁止したいと言っても不可能なのは言うまでもない。 国会議員や知事・市長は、銭が欲しいからカジノを解禁したいと言う。多分少しばかりの金は税金として入るだろうが、それは、心を売り渡した代償で「猿の手」で200ポンドが入ることを祈った夫婦は息子を失ったが、日本は国の誇りと良心と勤勉な心を失い、国家として破滅の道を歩むことになるだろう。 結局この国は、銭が欲しいだけでカジノを解禁することによって、夫婦が息子を亡くしたようにすべてを失うことになりかねない。 日本は今、W・Wジェイブズの「猿の手」が現実のものになろうとしている。後で後悔しても、取り返しがつかない事をジエイコブズの物語は教えている。 物語では、大きな代償を払って元の生活に戻ったが、息子は2度と帰ってこなかった。この国は、大変な岐路に差し掛かっている事を知ってほしい。カジノを解禁すると、「猿の手」が現実のものとなる。 国が丸ごと、滅亡することになりかねない。何故ならば、この国ではすでにパチンコというイカサマカジノがあり400万人を超える庶民が苦しめられている。W・Wジェイコブスが、書いた物語が日本の現状に当てはまるとは思いもよらなかった。
by wakamiyaken
| 2014-09-10 05:36
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