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WBCの野球が開催されました。今回特に痛切に思うことは、スターと呼べる選手がいないことです。日本の野球に、スター選手が不在となりました。これは、切実な問題です。
当然のことながら、シーズンの観客動員にも影響していると思われます。スター選手が、メジャーに移籍している面もありますが、それにしても、華を持つ選手が見当たりません。 バントとか、細かいプレーは着実にこなしているようですが、なにせ人を引き付ける魅力に乏しい選手が多くなったのは何故でしょう。不思議な現象です。 良き時代には、スターと呼べる選手はセリーグにもパリーグにも必ず何人もおりました。その選手たちは、存在感があり華を持っていました。グランドに立っただけで、スター選手の周りは明るく見えたものです。観客も、惜しみない拍手を送ったものでした。 スター選手が不在となった原因は、勝つことに主眼を置くようになったからではないか。ならば、中日の落合監督はどうなんだ勝つことに徹したではないか、と言われそうですが、落合監督の場合は全く違います。常に、物事を選手の身になって考えていました。 WBCに選手を派遣しなかったことも、筆者は正しかったと考えております。選手を故障から守るには、正しい選択でした。批判を浴びでも、常に選手のことを考えていた証左です。 早い時期から、調整しなくてはWBCには間に合いません。当然のことながら故障につながります。松坂が怪我に泣いたのも、根本的な原因はWBCで無理したからです。 スター選手が不在となっているのは、野球ばかりではありません。大相撲の世界も日本人の横綱が不在となってから10年以上経ちました。その原因は、日本の社会にあるようです。 スポーツは、アマでも勝つことが優先され人間教育が置き去りになっていないか、立ち止まって考えてみる必要があります。アマでも、成績が上がらない監督は解任されます。そうなると、人間教育など考えるよりも勝つことを優先するようになります。 結局、人徳がない粗雑なスポーツ選手を量産していないか? 日本のプロ野球から、大相撲からスターがいなくなった最大の原因は、人間教育を置き去りにして勝つことだけを要求した結果ではないのか、ここは真剣に考えてみる必要があります。 人間的な魅力に欠ける、スポーツ選手が多くなった最大の原因は指導者にあるような気がしてなりません。王さんや、長島さんなど、きら星のにごとくスター選手が活躍した時代は、まだ日本も管理社会になっていなかった時代です。 活躍する選手にも、観客にもゆとりがあった時代でした。金銭的なゆとりは今の方があるのかもしれませんが、当時は心のゆとりがありました。だから、スター選手が育ったのです。 人間社会は、とくに不況が長く続きますと心のゆとりを失います。性急な結果を求めます。それが、支配の強化につながり、生き残るためには支配の強化さえ受け入れてしまう。 人間は、どんなことがあろうとも支配されてはいけないと考えます。読売や一握りの人間に支配されて、スター選手が不在となったプロ野球がそれを証明しています。 日本人は、一部の人間に支配されても生き残ろうとしていないか、それが没個性につながりあらゆるジャンルでスター不在になっていないか、それが何よりも心配です。
by wakamiyaken
| 2013-03-05 07:51
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