NHK経営委員長の、数土文夫氏がNHKの委員長を辞め東電の社外取締役に専念することを発表した。22日の記者会見では、兼務に自信を示していたはずだが、NHKの経営委員長の方を辞めることにしている。
兼務で勤まるほど、どちらも大して重要な仕事ではないらしい。NHKの経営委員は放送法第31条により、原則として定例会は毎月2回召集されるとある。月2回の定例会で報酬はどうかといえば、次のようになる。 第6条 月の中途および第3条に定める算定期間の中途において、委員が異なる役職(常勤から非常勤または非常勤から常勤にかわる場合を含む)に就いたときの報酬は、次のとおりとする。
(1) 当該月の月額報酬は、いずれか高い方の額を支給する。
(2) 期末報酬は、異なる役職ごとの期末報酬にそれぞれの在籍した月数を6で除した割合を乗じた額の合計額を支給する。
第7条 この基準により計算した金額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り上げるものとする。
附 則
1 この基準は、平成20年4月1日から施行する。
(別 表)
(常勤)
※常勤の経営委員会委員は、その役職に応じ下記の金額を支給する。
役 職
月額報酬
期末報酬
(各期)
年間報酬
委 員 長
1,995,000円
3,990,000円
31,920,000円
委員長職務代行者
1,731,250円
3,462,500円
27,700,000円
委 員
1,410,000円
2,820,000円
22,560,000円
上段が月額報酬で、下段がボーナス。この数字は、出典もへちまもない。法律で明記されている。 月2回の定例会で、委員長は31.920.000円の報酬である。これでは兼務でも何でもやりたくなるだろう。東電の報酬は定かではないが、多分東電の方が報酬がいいのだろう。 それにしても、月に2回の定例会に出席して3000万円を超える報酬は適切なのかという問題の方が大きい。少なくとも、庶民から受信料を徴収して運営している組織である。これでは、大盤振る舞いそのものだ。 アメリカは今、1%の人間に富が集中し99%の人間が搾取されているとしてデモが頻発している。羊のように大人しい、と言われる日本ではあまり大規模なデモは起きない。日本人も、眠りから覚めないと国が持たない。 こんな例は、ほんの一部で最近は公的機関に従事する役員が多額の報酬を受け取り知らんふりを決め込んでいる。フェアであるべき体協の委員でさえ、高額の報酬を手にしている現実がある。ちなみに、スポーツ関係の予算は11年度より10億円増えて、過去最高の238億円となっている。。 政治家が、有識者なるものを取り込む手段として、公的役職につけて、高額の報酬を与え、下僕にしてしまうという手法は許されるものではない。何故ならば、公的機関ならば自分たちの懐を痛めることなく下男に出来る。 高額の報酬と名誉に(名誉と言えるものはないが)目が眩み、学者であろうと、文化人であろうと、喜んで駆けつける。権力者にとってはこんないい方法はない。税金を使って、うるさい連中を黙らせることができる。 消費税アップを望むならば、公的機関の報酬についても良識あるドイツやイギリスに見習って、無報酬にするとか、はっきりと定めるべきである。月2回の定例会で3000万円以上の報酬は世界広しと言えども日本だけだ。 経済大国として、世界2位の地位を長年続けてきた国で、庶民は貧国で苦しんでいるなどということがあっていい訳はない。日本人は、どこかで、誰かに騙され続けてきたのでは? 経済大国の座に長年ついてきた国で、財政破たん寸前になるとは誰も考えなかったことである。ジャパンイズ・ナンバーワンと持て囃された国で、格差が拡大し修復不能とも言える姿を晒している。 公的機関に就いている、役員の報酬などしっかりと検証しないと、いつまで経ってもこの国は変わることなく、どこかで搾取され続けて滅亡を迎えることになるだろう。 日刊ゲンダイで、役人天国を象徴する例が書かれていたので紹介したい。 宮内庁トップに7年も君臨した羽毛田信吾長官(70)が、6月1日付で退任することが分かった。羽毛田氏といえば、09年12月、小沢一郎・民主党幹事長(当時)が、天皇と習近平・中国国家副主席の会見を押し込んだことに「政治利用だ!」と大騒ぎした人物。「辞表を出してから言うべき」と言われ、「辞めるつもりはない」と居直ったのは記憶に新しい。
その羽毛田氏が突然、7年2カ月という中途半端な任期で退任する。「70歳という年齢を区切りとしたのだろう」という見方もあるが、宮内庁の報道室は「発表していない案件なので話せない」「長官に定年はない」と言うからよく分からない。
で、永田町ではこんな臆測も流れている。
「小沢復権と関係しているのではないか。小沢氏が座敷牢に閉じこめられているうちは大手を振っていられたが、無罪となり、党員資格停止処分も解除された。完全復権するのは時間の問題だから、その前に逃げ切りを図るつもりなのではないか」(政界関係者)
実際、羽毛田氏はまんまと“勝ち逃げ”しそうだ。京大法を卒業後、65年に厚生省入省。01年に厚生次官を退官後、宮内庁次長を4年務め、05年に宮内庁長官に就いた。これまでに得た生涯賃金はなんと、10億円に上るという。ジャーナリストの若林亜紀氏が言う。
「事務次官は年収2300万円で、退職金は9000万円。退官までに、おおむね5億円を受け取ります。続けて就任した宮内庁次長は年収1800万円なので、4年間で7200万円。宮内庁長官になると、公務員特別職で副大臣級の高給です。
俸給月額144万1000円プラス地域手当で、年収は2800万円にもなる。7年間で2億円を得た計算です。通算11年の宮内庁勤めの退職金を計算したところ、2億円。これらを合計すると、生涯賃金はざっと10億円という数字になります」
埼玉県にある羽毛田邸は、敷地230平方メートルの大豪邸だ。退任後は左うちわの余生が約束されているが、その後も「渡り」を続けて、ベラボーな報酬をもらい続ける可能性だってある。不況で四苦八苦の民間とはエラい違いだ。